第二回 アドリブとはA
■共通点

古典落語の「まくら」に相当するのが、ジャズの場合「イントロダクション」通称「イントロ」。
ジャズの小唄(通常32小節の小曲の事をジャズでは小唄とよんでいる)の場合、バースがこれに相当する場合も有ります。

落語家が羽織を脱いで、落語の本編に入っていきます。落語の好きな方でしたら、まくら以外、「落ち」まで「ストーリーは全部知っている」事とでしょう。

ジャズの場合も同じで、イントロ→テーマ→アドリブ→セカンドリフ→ドラムと4バース→ラストテーマ。
何れにしても、落語、ジャズ双方とも、手の内はバレバレです。

落語、ジャズ双方とも、「最初から、最後まで分かっていても楽しく聴ける」という共通点があります。

勿論、あくまでも、落語、ジャズ双方とも演者による事は言うまでもありませんが。

相違点

これから落語を始めようという人と、ジャズの場合を比べて見ます。同じ表現芸術、とは言いましたが、かなり条件が違ってきます。

落語に有利な事は、楽器と比べ、まず、第一に「声が出せる」。そこへ行くと、ジャズの場合、楽器にもよりますが、そうは簡単には音は出せないでしょう。まずは「楽器の鳴らし方」から勉強しなくていけません。下手をすると、「楽器の音出しだけ」で、一生費やす人もいます。

落語の場合は、勿論発声という事もあるとは思いますが、「取りあえず声は出る」これは大きい事です。次に、なんと言っても落語の有利なところは、日本人が落語を目指した場合「日本語の文法」に苦労する事は少ない事でしょう。

「ジャズはフィーリング」といくら豪語しても、例え「理論を知らなくても良い」とはいえ、それに準じたものが身体に浸透していなくてはなりません。
何れにしても、初心者がジャズを習得するには、並大抵の事ではないと言えます。

落語の方が、「習得しやすい」と申し上げましたが、いわゆる観客の理解度も「落語の方がはるかに高い」ですので、ジャズのウソを見破る人は少ないとしても、落語の場合は、「言葉のアクセント一つ」違っても、観客に見破られてしまいます。

落語の話の中で、例えば「て に を は」や前置詞、接続詞の使い方を一つでも誤ると、どんなに話芸が磨かれていても、「ぶち壊し」になる事でしょう。

ジャズの場合は残念な事に、特に日本においては「観客のレベルも低い」ので、「アドリブの文法の誤り」に気づく人は、数少ないと思います。
それを良い事に、「好き勝手メチャクチャ」にならない様に、少なくとも、「観客をだましても自分をだますな」と言いたいですね。
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