第一回 アドリブとは
このアドリブという語源の、「即興演奏」の日本語訳に、そもそもの勘違いが有ります。
多くの人が、この「即興演奏」という言葉に、何がなんでも、アドリブというと「即興で何とかしなくては」と思い込んでいる事と思います。
「本当の即興演奏はネコだけにしかできない」というと、多くのひとから反論があると思います。

ジャズのアドリブVs言葉

今日あなたが、目が覚めて寝るまでの間使った言葉で、「生まれて初めて使った言葉」って幾つありますか?
多分答えは「ゼロ」だと思います。

「えっ、マジ?」

例えばこの「マジ?」という言葉でも、ほんの一昔前まで「落語家の隠語」だったという事をご存じですか?
勿論、意味は「マジメな話しか?」を短くしたものです。
この言葉は、戦後、テレビ・ラジオが復旧し、お茶の間に深く浸透していったことから一般的になった言葉の一つだと思います。
使う側と聞く側が「マジ?」という言葉を「知っていて初めて使える」事になります。
言葉一つを取り上げても、いわゆる最近のギャルが使う言葉、「チョーxx」とか、「ださい」から政治家の使う「マニュフェスト」まで、誰もが、テレビ・ラジオ等、メディア媒体から、或いは友人知人から聞かされて「初めて知った」事だと思います。
いざ、自分が初めて使う段になると、その言葉の抑揚、アクセント、或いは使い方等、ある程度把握してからでないと、人前では使えないものです。

いよいよここで、〈アドリブvs言葉〉の本題に入っていきますが、ジャズのアドリブをする初心者の多くは、「その音の意味を知らずに使ってしまう」ので、聴いている方も「ちんぷんかんぷん」になってしまいます。
初心者がジャズのアドリブを即興と解釈し、ステージ上で楽器に空気を入れ、指を動かし「本当に即興で演奏してしまう」。これはまるで、「ネコがピアノの鍵盤の上を歩いて出した音」とあまり変わらない事になってしまいます。
次へ

コンテンツTOPへ
jazzsmileTOPへ