とりとめのない欧州からのアネクドート(小話)
第1話


ちなみに彼もこのフラリの典型であります。たとえ雨が降ろうと雪の中であろうといつも御愛用のモーターバイク、もしくは自転車の後ろに楽器を括りつけて演奏会場に颯爽と登場。数年前までは赤ん坊を背負い、美しいカミサンが後ろの席に同乗して我が家に練習しに現れたものだ。最近はわが練習スタジオに半日かけてせっせと防音ゴムの壁を貼付けてくれた心優しい愛妻家でもある。

ルデイといえばサッカー。とにかくサッカー大好き人間。彼はまたサッカー( ベルリンのミュージシャン達で作られたチーム。ちなみに女、子供、誰でも参加自由 )チームのボスでもある。大抵は週1度くらい行われているバンドの練習の後に、子供を幼稚園に迎えに行き、その足でサッカー試合に駆けつける。

それにつけても彼の奏でる音は滅茶苦茶デカイ!たとえフェステイバルとか大きな会場で演奏する事になっても”ボクはマイクロフォンは要らない!とサウンドエンジニアをその場でクビ、失業させてしまうのでも有名。
音がデカイといえば、ワタシはよくよくデカイ音を出す相棒と縁があるようであります。
ルデイの前に組んでいたデユオの相棒 デビッドマレーも相当な迫力で吹いていたっけ。その当時 ほぼ同時進行でポルトガルの歌姫マリアジョアンともあちこちツアーをしていたのだが、彼女がサウンドチェックのときに「一体どうなってんのヨ。ピアノの音が大き過ぎて、まるでアンタのピアノにワタシが歌で色づけしているみたい!」と喚いていたっけ。「あらっ!そうかしらん」と ふとわが腕を見るとなんだか筋肉りゅうりゅう逞しくなったような気がする。別にヒトのせいにするわけじゃないけど、何たって昨日まで一緒に演っていた 相棒デビッドの音に合わせて弾いているうちに、どうやらボリュームがエスカレートしてしまったようである。

ついでにデカイお話をもうひとつ。ルデイが近頃書いてきた曲に”ボクのは小さい!”という何だか危ういタイトルとも受け取れる曲があるのだが、彼いわく”ジャイアント ステップス”(コルトレーン作)のコード進行を意識して書いたから、その逆さをとって題名つけただけだよと、にっこり言っておりました。
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