jazzミュージシャンインタビュー企画
 
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毎月、日本で活躍中のjazzミュージシャンを紹介していきます。

第19回 【 伊東 忍(g) 】

プロフィール
 小学生時代からアメリカのポップソングの持つ明るさに魅了されレコード収集を始める。12歳から父親のギターレッスンを受ける。将来はプロのギタリストになるべく研磨を重ねた。中学時代にポップグループを組み、文化祭や街のイヴェント等で演奏し、高校では軽音楽部に所属,ウエス・モントゴメリーを聴きジャズギターに興味をもつ。東海大学ジャズ研究会に所属、ギターの潮先郁夫氏に師事しながら在学中からプロの道に入り、クラブやスタジオなどで活動し始める。
 1975年 初の渡米でアメリカの文化、風土に大きな衝撃を受け、ロスアンジェルスに到着とほぼ同時に永住を決意、半年滞在後一旦帰国する。
東京に戻ったあと、今は亡きボーカルの木村好子グループに在籍しながらテテ・モントリュー、スタンリー・バンクス、ビル・ライケンバック、ロニー・フォースター、峰 厚介、中村誠一、向井滋春、土岐英史、植松孝夫、小曽根 実等と共演しながらコンサートやスタジオ等で活動する。
 1977年 スイング・ジャーナル誌ギター部門人気投票に初登場。同年、計画通りニューヨークに移住する。
 1977年 ニューヨークでは最初は主に、レジー・ワークマンが音楽監督を務めるビッグ・バンドのメンバーとしてロビン・ユーバンクス等とブルックリンにある、ミューズ音楽院主催のコンサートなどに出演。
中村照夫のライジング・サンのメンバーとしてもボブ・ミンツァー等としばらくニューヨーク周辺で活動し、同時にリッキー・フォードや当時ニューヨークに滞在していた中村誠一のグループでも活動。

 1981年 山本 剛のアルバム[P.S.I LOVE YOU](東芝EMI)に中村照夫、中村誠一、ジム・マックニーリー等と共に参加。その間、ジョー・ジョーンズ・ジュニアー、サディク・ハキム、ジョン・オー、トミー・タレンティーン、ケニ―・カークランド等バップからモダンまで、多くのミュージシャンと共演する機会を得た。
またT.M.スティーブンス、カイル・ヒックス、ジーン・ウイリアムスよりなる最初の自己のフュージョン・グループを初めに、何度かグループを結成し、BLUE NOTE,55BAR,ANGRY SQUARE、PAT‘s などに出演。
この間にも、バレリー・ポモマレフ、ロニー・プラキシコ、エディー・ヘンダーソン、ロニー・スミス、ケニー・デイビス、ジェフ・ウイリアム等多くのミュージシャンと共演した。
またピアニスト、アレンジャーのクリス・デフォートの結成した10ピース・バンドの録音にマイク・フォーマネック、ビンセント・へリング、ジュディー・ニーマック等と共に参加。
 1988年 オリジナル曲がビルボード誌のソングコンテストに入選。
 1991年 初リーダー作「SAILING ROLLING」(CROWN RECORDS)を発表。メンバーはトム・ハレル,ダニー・ゴットリーブ,マーク・ソスキン、ゲイリー・キング他、この頃より演奏場所をブルックリンに移し、地元のミュージシャンを中心にアントニオ・ハート,マーク・シム、ビンセント・へリング、アルベスター・ガーネット、ロドニー・グリーン、ケンヤッタ・ビーズリー、レスター・ブーイ、ティム・ペリーマン等若手から熟練まで、多くのミュージシャンと共演。
 1997年、新人のエリック・ワイアットを発掘し、彼のデビュー作「GOD SON」(KING RECORDS)を共同プロデュースしながら録音にも参加。
メンバーはダン・コステルニック、マーク・ソスキン、ルーファス・リード、アル・フォスター他。
この年 ジム・スナイデロのジャズ教則本Jazz Conceptionシリーズ、(ATN出版社)の翻訳を手がける。
 2002年 JAZZBANKより六本木PIT INNでのライブCD「ONE LIFE TO LIVE」を発表。<日本ジャズ〜フュージョン史のなかでも公表に値する貴重な記録、六本木PIT INN伝説のライブ>と評される。メンバーは島健,土岐英史、高水健二、渡嘉敷 祐一、南部 昌江。
またこの年カナダのモントリオール・ジャズフェスティバルに、ギタリスト、RYO KAWASAKIとのDUOで出演。
 2003年 同じくJAZZBANKよりアコースティックギター中心のCD「A TRIBUTE TO BARDEN POWELL&ANTONIO LAURO」を発表した。メンバーはJAKI K,橘 佳子,YAYOI。
 2004年 クラッシックの作曲素材を2台のクラシカルギター用にアレンジし、インプロバイズするギターデュオの準備中で2006年にCD化を予定している。
 2005年 中村 誠一とのニューヨークでのデュオ録音「SERENATA」がJAZZBANKより8月に発売された。
この年4月より洗足学園音楽大学ジャズ科の講師を務めるために、現在頻繁に日米を往復している。



MUSICA PARA ENAMORADOS(邦題:RAMONADA)/伊東忍
収録曲: La Fiesta/Oblivion/Vals Criolo/Andreina/Carola/Andante < the 2nd movement from guitar Concerto by Villa-Lobos>)/Danse Espagnole No.5/Danse Espagnole < from La Vida Breve by M.Falla>/Spain
SHINOBU ITO: guitar/ Kohno Model Special(1993)
TORU YAMAUCHI: guitar(accompanist) / Kano Kodama(1984)#20 & JoseRamirez(1972) (track2&9)

http://www.pjl.jp/discography/jazzbank/MTCJ1095.html


Q1;現在の主な活動を教えて下さい。
 アメリカに永住しているのですが、去年あるきっかけで4月より溝口と横浜にある洗足学園音楽大学ジャズ科で講師を務めています。
 そのため昨年は授業のある期間は東京に滞在しながら赤坂B-FLAT, 横浜MOTION BLUE、池袋KENNY’S BAR その他のライブハウスやコンサート等に出演しています。洗足が休みに入りますとニューヨークに戻り、次のCD製作<クラッシック ギター作品に伴奏パートを書きDUOで演奏してインプロバイズする>、、、という2年越しの企画、製作に向かっていますが、昨年は8回もニューヨークと東京を往復しなければならなかったため、時差もあり初期の製作完了時期が大幅に遅れています。


Q2;いつ頃からjazzミュージシャンになろうと思われたのですか?何かきっかけがあったのでしょうか?
 ギターは12−13才ぐらいから弾いていて、中学生の時からベンチャーズのようなバンドを組んで学園祭、町のイベントなどで演奏していました。
 高校に入り同級生の父親が大のジャズファンでジャズのレコードが沢山あり、そこでウェス モンゴメリーを聴いた(聴かされた?)のが初めてのジャズとの出会いでした。が、その時は演奏を聴いても何が起こっているのかもちろん理解できませんでした。
 その後、確か高校2年生ぐらいの時にテレビでギターの沢田 俊吾さんがバンドでジャズを演奏しているのを見て、聴いて、それまで私が知っていたギターの弾き方、音の出し方が全く違うのを不思議に思い、どうなっているんだろう?と疑問に思ったのがきっかけです。 大学でジャズ研に入り3年生ぐらいから当時のキャバレーなどで時折仕事をしているうちに、次第に将来プロとしてやって行こう、、と思うようになりました。


Q3;jazzをどのようにして習得されたのですか?
 高校生時代は自分で探した音楽理論書を勉強しました。
 その後大学のジャズ研に在籍しながら実践を勉強し、また当時はそれ程ジャズの教則本も今ほどありませんでしたが、自分で何とか見つけ勉強、、、そういえばその頃沢田 俊吾さんの経営する音楽院から毎月送られてくる、いわゆる通信教育での音源(当時はソノシートでした)と理論の解説も随分役に立ったこと覚えています。


Q4;影響を受けたミュージシャンは誰ですか?
 すべての出合った、あるいは演奏を聴いたこと、が多かれ少なかれ何らかの影響を受けていると思います。ジャズだけでなくクラッシックもよく聴きますが、その中でも、もしジャズ ギタリストに絞るのであれば ケニーバレルの音色、ジョーパス、バーニーケッセル等のライン、パット マルティーノ、ジョージ ベンソンの華麗なテクニックなどです。




Q5;現在使用している楽器の種類を教えて下さい。
  
GIBSON L-5 CUSTOM 
1947年








Q6;演奏する時に(ライブの時)、一番気にされることは何ですか?
 色々な要素があると思いますが、自分がサイドメンとして雇われている時は、リーダーの時と違い選曲、テンポなどはリーダーまかせで良いわけです。そのかわり人の音楽をキチンと伴奏しなければいけない、、、という責任意識が出てくると思います。

 また自分がリーダーの場合にはすべての責任があり、ある程度のリーダーとしてのプレッシャーはあります。
が、いずれの場合も、いつも心がけていることの一つに、細かいミステイクや進行の行き違いを気にせず楽しく音楽出きるような雰囲気を作りその中で演奏できるよう心がけています。


Q7;音楽を通じて、一番伝えたい事は何ですか?
 この混沌とした矛盾だらけの現代社会の中で我々がもしかしたら忘れかけているまともな人間としての心、、、やがてはその心の輪が広まり少なくともおろかな20世紀の遺物である戦争あるいは極端な貧富の差などの現象がこの21世紀ではもうこれ以上起きないよう祈りながら演奏しています。 
つまり一言でいえば世界平和です。


SERENATA
収録曲:
THE THINGS I DIDN'T DO/MONDAY NIGHT SPECIAL/MODERN BLUESOLOGY/FOR US, MY DEAR/ALMOST SPRING/BRISA DE AMOR/BREEZE ME, SKY ME/RAMONADA/SERENATA/THE THINGS I DIDN'T DO(リプリーズ)
PERSONNEL:
中村誠一(ts)伊東忍(g)2004年 9月6〜7日ニューヨー ク録音

http://www.pjl.jp/discography/jazzbank/MTCJ1084.html


Q8;jazzミュージシャンを目指している人にアドバイスをお願いします。
 ジャズに限らず音楽もその他の芸術表現も最終的には人とのコミュ二ケーション。自分自身が何のために生まれてきて、何を伝えたいのか、、、が明確になって初めて聴いている人々に対して十分な説得力が生まれてくると思います。
 若いうちは自分が楽器をまだ必要最低限マスターしてないので、そこに気を取られてしまうのが当然だと思います。
 やがてこの世の中、世界にある矛盾、欺瞞、貧富の差、いまだになくならない戦争。薬はおろか明日食べる物さえない子供達がまだまだ多くいる一方で、広大な土地で豪華な暮らしをしている人も多くいるこの世界の現実。
 また本来であればこの上なく美しいこの地球を、我々がより便利に生活できる為に、科学技術の発達によりここまで汚してしまった、、、
 我々の次ぎに生まれてくる子供達のためにも何かをしなければいけない、、、
 いつか音楽で生活できるようになったら、そこで満足せず、<音楽家>であれば音楽の力で、自分のできる範囲で将来何かこの混沌とした世界を、より良い世界へと築くために役に立てるような音楽家になる、、、という意識も持って欲しい。
 最終的に本当の勉強とは実際にステージに上がって、人が見ている前で数多くの演奏を経験することだと思います。



Q9;これからjazzを聴いてみようという方に、jazzの良さを教えて下さい。
 ジャズ、、、、という言葉も50年前の意味と今の時代に<ジャズ>、、、と言った時に意味が大きく違ってきてると思います。
 ですがヨーロッパの西洋音楽とアフリカの音楽が北アメリカ大陸で融合して生まれたジャズ。禁則事項の多い西洋音楽 と、それと違う次元で生まれてきたアフリカの音楽が、この自由を求めるアメリカで生まれたのは最もなことだと思います。
 またジャズは時代と共にその形も変化して行くという他の音楽形態には見られない自由さがあります。



Q10;jazzミュージシャンになっていなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか?
 何らかの形で何かを創造する職業だと思います。

A TRIBUTE TO BARDEN POWELL & ANTONIO LAURO
収録曲:PROLOGUE/ANDREINA/NATALIA/CARORA/LA NEGRA/SERENATA ESPANOLA/ESTRELLITA/BRASILIANA/VELHO AMIGO/SEPTEMBER SERENADE/FUEGO/BREEZE ME, SKY ME/ COSTA DEL SOL/POR CAUSA DE VOCE
PERSONNEL:SHINOBU ITO(guitars, piano)Yoshiko Tachibana( synthesizer, piano, pan-flute on M-11 + M-13)Jaki K ( tenor sax on M-12)Yayoi & Shinobu(scat vocals)
http://www.pjl.jp/discography/jazzbank/MTCJ1049.html
ニューヨーク録音


Q11;普段jazz以外で好んで聴く音楽があれば教えて下さい。
 イタリア歌曲の古典、オペラ、クラッシック、カンツォーネ、ラテン、南米のギター音楽などです。


Q12;今後の活動予定を教えて下さい。
今年4月に代官山にオープンしたMUSIC&RESTAURANT CANDY http://music-candy.com/ でジャズ系のミュージシャンのコーディネートを受け持ちながら、主に土曜日、自己のグループ<RAMONADA>を率いて演奏しており、グループのサウンドがかたまり次第、このCANDYでライブ録音し、CDとして発表する予定です。

7月中旬、洗足学園が夏休みになりますので、NYの自宅に戻り、作曲、演奏活動に入ります。
日程は今現在確定していませんが、イースト ビレッジにあるきれいなBAR <ANGEL`S SHARE> http://www.newyorkmetro.com/pages/details/4217.htmでの演奏が中心となります。

また今年8月21日発売のCD <MUSICA PARA NAMORADOS> JAZZBANK MTCJ−1095のプロモーションを8月末に帰国してからしばらくの間<CANDY>を中心におこないます。また洗足学園での授業も後期に入ります。


ONE LIFE TO LIVE
収録曲:FIRST FLIGHT/IN LOVE FOR KEEPS/MINUTOS PARA RIO/FAR AWAY/STILL BLUES/S.O.S
PERSONNEL:
SHINOBU ITO(guitars)HIDEFUMI TOKI(alto&sopranosax)KEN SHIMA(acoustic&electric piano)KENJI TAKAMIZU(electric bass)YUICHI TOGASHIKI(drums)MASAE NANBU(synthesizer

http://www.pjl.jp/discography/jazzbank/MTCJ1022.html
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